専門家

 医師や弁護士、建築士などの職業を持つ人を専門家と呼ぶときに、人は何かありがたみのような気持を込めてそう呼んでいるいるような気がする。たぶん、自分が世話になるかもしれない、身近に起こる面倒なことを専門的に処理してくれそうだ、という、けっこう身勝手な意味が込められている。だから、数学者や芸術家、映画俳優を即座に専門家とは言わないような気がする。同類語のプロフェッショナルとなると、そこんとこの幅が広がるようだ。
 日本都市計画家協会では、都市計画には専門家と非専門家の区別はないので、今日からあなたも都市計画家、というキャッチコピーで会員を増やそうとする(笑)一方、専門家としての職能の確立についての研究会も運営している。この矛盾した態度は、都市計画をコミュニティ計画まで含めた「まちづくり」ととらえていることに起因している。都市計画法制や都市計画事業など、狭くとらえるとそのような矛盾は起きない。だけど、つまらない。
 まちづくり都市計画は、毎日だれもがやっていて、職業的な専門家もいる、ということでは料理のようなもの、と言えなくもない。
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