野垂れ死に

この度の大震災では多くの人が野垂れ死にされている。
「みじめ」な、「可哀相」な死という感情の問題ではなく、死の客観状況を表す言葉として、ボキャブラリーの足りない私は『野垂れ死に』という言葉しか思い浮かばない。
ご冥福を祈るばかりだが、そのような死を受け入れられた方と共有できそうな弔いのあり方は、ガンジス川の岸辺で施される水葬かもしれない。亡骸が見つからない死者に確かめるわけにはいかないが。
骨壷を墓の中に並べるという几帳面さは日本人の美徳だが、それを維持していくのは大変なのだとつくづく思う。