トイカメラ

うかつにも『大人の科学』なるものを知らなかったのだが、『子供の科学』の愛読者だった私の誕生日にトイカメラ付録のついた同誌を息子がプレゼントしてくれた。

夜中、老眼という過酷な条件で組み立て作業を終え、街に出てシャッターを切った。

日曜日には庭の牡丹と隣家に向けてシャッターを押した。
 

フイルムの巻取りを忘れて二重写しになっていたり(手巻きでストッパーなしなのです)、光が入ったかフィルムを巻き取る時に静電気を起こしたかで露光していたりして、ほとんどが失敗作なのだが、デジカメに慣れた目には失敗作も妙にゲイジュツした写真に見えたりもする。何と言っても「現像に出す」という不安でかつ胸躍る行為が、かつてあったことを思い出したりもした。